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コンピュター法律相談 [法律に関する問題]

 昨年から電王将棋戦という名称で、コンピューターとプロ棋士との対戦が行われていますが、いずれもプロ棋士側が負け越しています。今年は、プロ棋士側に事前に対戦するソフトが貸し出され事前にソフトの研究ができるようになっており、事前の対戦では、プロ側の勝率がよかったプロもいたようですが、本番では分が悪かったようです。ソフトは強いのでしょうが、それだけでなく、コンピュータは疲れることを知らず、精神的緊張もなく、うっかりミスがないことや、終盤が強いということから、プロ側が緊張し、却って悪手を出してしまったということもあったようです。私としては、人間の強さを信じたいこともあり、複雑な心境です。ちなみに、私は、将棋は小さいころに覚えたのですが、全く才能がないことを実感しています。また、最近では、大学受験問題をコンピュータに解かせたら、結構、いいところまでいく程度にはなっているようで、コンピュータの進歩はすごいものです(問題の内容如何で、得て不得手があるようです)。

 では、コンピュータ法律相談はどうか、ということを考えたりするのですが、現在は判例とか書籍のデータベースソフトは、何社か作成しており、利用料も安くなっており、私も、数社利用しています。    しかし、これは、判例等が検索できるだけですので、法律相談ということにはなりません。法律効果は、それを発生させるための事実があれば発生しますので、当該事実を入力すれば、結論はでます。そうすると、その事実を入力すればいいだけではないかとも思われますが、要は、相談者から聴き取りをしながら、どのように法律構成ができるか、また、そのための事実が認められるかを引き出すことが重要です。相談者のなかには、説明が上手でない人や緊張してあまりしゃべれない人も結構おり、うまく聞き出すには、コミュニケーション能力が必要です。ですから、それをコンピュータが代行するということは、できないでしょうから、コンピュータ法律相談は、まだまだ無理ではないかと思われます。 なお、一定の事実があれば、ある法律効果が発生しますが、そのようなことは法律家であれば、当然分かっていますから、そのためにコンピュータを使用する必要はありません。むしろ、相手方は、そのような事実の存在を否定されることも多いので、それをどのようにして証明していくかのほうが重要になります。

 なお、最近将棋ソフトの大会があり、プロ棋士と対戦しなかったソフトが優勝したそうで、将棋ソフトの層がすごくなっているとのことでした。来年対戦あるとしたら、プロ棋士に頑張って欲しいですね。


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受信料について [法律に関する問題]

  受信料については以前記載しましたが、最近、受信契約の成否の時期について、異なる判断をする高裁判決がでているので記載します。いずれも、NHKが受信契約締結自体を拒否している人に、受信料請求をしていた事案です。放送法は、テレビを設置した者に受信契約締結義務を課していますが(争いがありますが、多くの裁判所はこのように考えています)、受信料は受信契約を締結していないと支払義務は発生しないと考えられていますので、受信契約の締結自体を拒否していたわけです。それで、NHKは、受信契約の申込をすると相手方の承諾如何に関わらず、受信契約が成立するという法的構成(法的には、申込を形成権と考える)と、もう一つの法的構成は、相手方の承諾の意思表示を求める裁判を求め、それが確定したら、承諾があったことになりますので、その時点で受信契約が成立するという構成で裁判したものです。これについて、契約の申込があれば、承諾の意思表示がなくとも、申込から二週間を経過すれば、契約が成立するとして、前者の法的構成を認めた高裁判例がでましたが、別の高裁判決は、契約が成立するためには、申込と承諾が必要であり、承諾の意思表示がないにも関わらず、契約の成立を認めることはできないとし、契約の成立には承諾の意思表示を求める裁判が確定する必要があるとしました。承諾の意思表示なしに契約の成立を認めた高裁判例は、承諾の意思表示を求める判決確定が必要と解するのは迂遠であること等を理由とするものですが、受信契約の申込で契約が成立するというのは、法的根拠はないのではないかと考えます。もっとも、契約の成立時期は異なってきますが、契約が成立すれば、その効果は、受信機(テレビ)設置日に遡る、とされていますから、結局は、設置時点からの受信料は支払わなくてはならないことになります(なお、受信料の改定があった場合、どう考えるか等の問題は別にあります)。昨今、NHK新会長の言動が問題になっており、私もおかしいのてはないかと思っていますが、なおさら、NHKには、公正で良質な放送を期待したいものです。


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紙幣破損 [法律に関する問題]

 先日、出張先の某コンビニで千円札を出したら、内一枚が、私は気づいていないで差し出したのですが、5ミリ程度欠けているところや1センチ程度破れていたところがあり、受け取りを拒否されました。この札は、前日、違う会社のコンビニから、おつりで貰ったものでしたので、少し苛つきましたが、急いでおり、また、別の千円札がありましたので、それで済ませはしました。が、どちらも有名なコンビニですが取扱が違うものだと感じた次第です。なお、コンビニからのお釣りというのは、前日、千円札がなかったので5000円札で買い物をしたおつりでしたから間違いありませんので、今度は、そこのコンビニで使ってみようかなとも考えたりします(笑い)。

 そこで、本題は、紙幣の有効性ですが、本紙幣の破損はわずかなもので、面積の3分の2以上は破損しておりませんので、当然有効ですし、日本銀行や一般の金融機関に持っていけば、無償できちんと交換してくれます。そうすると、千円としての価値はあるわけですから、客がきちんと支払をしているのに、店が受け取りを拒否できるのか問題になります。

  仮に、店が破損紙幣を受け取った場合、それをそのまま別の客に釣り銭として渡すということは、なかなかできないでしょうし、レジをとおるかも問題があります(私は、別のコンビニからは渡されましたが)。そうすると、店としては、破損紙幣については、新品と交換に行く等の、手間がかかります。  ですから、紙幣自体に千円としての価値はあっても、破損している場合、受領を拒否するということは合理的な理由がありそうです。というのが、一般的な回答でしょう。が、更に考えてみます。

  例えば、今日中に、10万の返済をしなければいけないので、10万を持参したところ、その札に先程のような破損があったとき、貸主が受取を拒否できるか、という問題を考えてみます。債権者に受領義務があるかどうかは、民法上、争いがありますが、少なくとも、10万円の返済については、借主の債務不履行にはなりません。借主は、貸主が受領を拒否したら、供託して債務を消滅させることができます。それで、金銭債務の場合、受領拒否されても、法的には借主には不利益はないと考えられます(事実上は面倒ですが)。しかし、コンビニのような、同時履行的な決済の場合は、客としては困ります。ですから、法的には、本紙幣は記載とおりの価値はあり使用出来るから問題はないということで店と話をするということが考えられますが、これに対しては、店側からは、店での契約であり、店のシステムが適用されるという反論も考えられます。いずれにしても、現実的には、私のように他に札があるなら、それで済ますというのが円満な処理のように思います(自分で金融機関に行って交換するということでしょうが、面倒ではあります)。


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自転車法 [法律に関する問題]

 久しぶりに法律の問題を書きます。皆さん自転車法(略称)という法律を知っていますか。私たちに一番関係するのは放置自転車に関する規定だと思います。放置自転車を市町村長が撤去、保管し、一定期間経過すると売却とか廃棄されますね。憲法では財産権を保障しているのに、何故、同意がないのに所有権まで喪失してしまうのだろう、と考えた人がいるかも知れませんが、それを定めた規定です(なお、同法律がなくとも条例で定められるという見解も有力です)。自転車法6条では、市町村長は、保管、廃棄等の処分ができ、一定の場合当該自転車等の所有権は市町村に帰属する、とされています。それで、放置自転車は、自転車法や条例に基づき処分されるので、勝手に処分されたということはできないのですが、自転車法では、自動二輪についての規定はありません。しかし、市町村のなかには、条例で、自動二輪についても処分ができるとしているところもあります。これは、法律で規制がないのに条例で処分まで許されるかという問題になり、横出し条例とかいわれているのですが、議論のあるところですが、法律で規制がなくても、法律が、それ以外にも規制を許さない趣旨ではない、と考えられる場合は許される、ということで条例で定めていると思われます。しかし、自動二輪も対象にできるとしても、所有権を喪失させてしまう処分まで、条例で許されるかはなかなか難しいですね。必要性があるのは否定はできませんが、必要性があるなら、法律で定めるのが相当だとは思いますが、如何でしょうか。


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動物愛護管理法(続) [法律に関する問題]

 動物愛護管理法改正が平成24年8月に成立しました。前回は、幼齢の犬、猫の展示販売規制について書きましたが(出生後56日を経過しないものは販売のため展示できない。但し、施行後3年間は45日、その後法律で定める日までは49日)、今回は、改正法が終生飼養の責務の明確化を定めたことと関連しますが「自治体の犬・猫の引取」について書きます。

 これは、現在、都道県等は、殺処分を行っておりますが、そのなかには、所有者が何らかの事由で引き取りを依頼した数も含まれています。しかし、殺処分はできるだけなくしたいものです。それで今回の改正には、「都道府県等は犬又は猫の引き取りをその所有者から求められた場合であっても、終生飼養の責任の趣旨に照らして、引き取りを求める相当の事由がないと認められる場合は、引き取りを拒否することができる」との規定が設けられました。また、「都道府県等が、引取を行った犬等について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいるものと推測されるものについては、その所有者を発見し、所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるものについても、その飼養育希望する者を希望する者を募集し、その者に譲り渡すよう努めることとする」ことが明記されました。

 自治体によっては、これまでも、殺処分の減少を目指した取り組みをしていたと思いますが、改正法が成立しましたので、これまで以上に、その取り組みを行うことが期待されます。ペットを飼うときは、最後まで面倒をきちんと見るという気持ちで飼うはずですが、飼主によっては、色んな理由があるのでしょうが、自治体に引き取ってもらうこともあったようです。改正法の施行は、公布後(24年9月)一年以内ですが、できるだけ、そのようなことがないようにしていきたいものです。


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動物愛護管理法 [法律に関する問題]

動物愛護管理法という法律があります。この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の愛護に関する事項を定めているもので、同法2条では、「 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」とされています。しかし、現実は、殺処分されるペットが年間膨大な数になっていたりとかで理念が実現されているとはいいかねます。同法については、2012年に法改正がありました。このなかで動物実験について改正対象にするよう運動していた団体もあったのですが、民主党動物愛護対策ワーキングチームは改正項目から除くとの方針を示したようです。動物実験については、大義名分があり、難しい問題ですが、日本では、動物実験施設について届出も登録もされないため、実質的な規制がないという状態であり、これは問題ではないかと思われます。現在は、同法で、動物実験の国際原則3R(削減、代替、苦痛軽減)が理念として規程はされており、また、関係省庁の基準等により、動物実験を行う大学等の機関は、動物実験委員会を設けて動物実験計画を審査することが求められていますが、それでは不十分できちんと施設や計画等について届出等をするような規制を設けることも必要ではないでしょうか。同法改正については、このような問題はありますが、先日、2012年の改正が成立しました。内容としては、販売時の対面説明の義務化や、生後間もない犬と猫の販売規制などを定めています。これは、インターネット上などでのペット販売が広がり「写真と実物が違う」といった苦情が出ていることからですが、改正法が施行されれば、ネット販売であっても顧客に直接、動物の状態を見せ、対面して飼育方法などの必要な情報を提供するようしなければなりません。また、子どもは親や兄弟と接するなかで社会性を身につけます。これは動物でも同じでして、例えば、子犬が親から早い時期に離れると、他の犬を怖がったり、人を噛むなどの問題行動に出ることがあると指摘されていました。それで、改正法は生後56日を経過しない犬と猫を繁殖業者が販売のために引き渡したり展示したりすることを禁止しました。 ただ、緩和措置として、施行から3年間は生後45日、その後は49日と段階的に期間を延長する。56日への変更は施行後5年以内としています。 日本では、特に、できるだけ子犬のうちに買いたいという飼主の要望があるため、生後30日程度で店頭に出すということも見られますが、飼主は、子犬のためにもできるだけ母親や兄弟と過ごさせることが、ひいては飼主のためにもなるということで、我慢をしましょう。

 我が家にもミニチュア・ダックスフンドが二頭おり、今では家族の一員ですが、いずれも店頭で購入しました。一匹は我が家ではとてもいい子なのですが、他の犬や見知らぬ人を怖がったりする傾向があります。この子は、生後二ヶ月以内に早期に店頭に出ていました。とても可愛くて購入しました。このような私が、もう少し親・兄弟と一緒に過ごさせていたかった、と考えるのは自己矛盾ではありますが、今考えると寂しかったろうな、と思うしかありません。できたら、改正法の施行をまたずに自主的に規制して貰いたいものです。

(普及啓発)

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