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受信料について [法律に関する問題]

  受信料については以前記載しましたが、最近、受信契約の成否の時期について、異なる判断をする高裁判決がでているので記載します。いずれも、NHKが受信契約締結自体を拒否している人に、受信料請求をしていた事案です。放送法は、テレビを設置した者に受信契約締結義務を課していますが(争いがありますが、多くの裁判所はこのように考えています)、受信料は受信契約を締結していないと支払義務は発生しないと考えられていますので、受信契約の締結自体を拒否していたわけです。それで、NHKは、受信契約の申込をすると相手方の承諾如何に関わらず、受信契約が成立するという法的構成(法的には、申込を形成権と考える)と、もう一つの法的構成は、相手方の承諾の意思表示を求める裁判を求め、それが確定したら、承諾があったことになりますので、その時点で受信契約が成立するという構成で裁判したものです。これについて、契約の申込があれば、承諾の意思表示がなくとも、申込から二週間を経過すれば、契約が成立するとして、前者の法的構成を認めた高裁判例がでましたが、別の高裁判決は、契約が成立するためには、申込と承諾が必要であり、承諾の意思表示がないにも関わらず、契約の成立を認めることはできないとし、契約の成立には承諾の意思表示を求める裁判が確定する必要があるとしました。承諾の意思表示なしに契約の成立を認めた高裁判例は、承諾の意思表示を求める判決確定が必要と解するのは迂遠であること等を理由とするものですが、受信契約の申込で契約が成立するというのは、法的根拠はないのではないかと考えます。もっとも、契約の成立時期は異なってきますが、契約が成立すれば、その効果は、受信機(テレビ)設置日に遡る、とされていますから、結局は、設置時点からの受信料は支払わなくてはならないことになります(なお、受信料の改定があった場合、どう考えるか等の問題は別にあります)。昨今、NHK新会長の言動が問題になっており、私もおかしいのてはないかと思っていますが、なおさら、NHKには、公正で良質な放送を期待したいものです。


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